5月13日発、夜行日帰りボランティアバス第2便は、宮城県亘理郡山元町へ出発した。今回参加の39名が6班に分かれ、他ボランティア団体を加えた計9班で家主の指示の下、15軒の泥出しや木の抜根を行った。
作業をした一帯は、かつて新興住宅地として売り出した地域で、どの家も整った広い庭と20年前に建てたとは思えない、手入れが行き届いた家々が並んでいた。しかし津波により、庭の植物は塩水で枯れ、家の中にまで泥が入り込み、外壁には、くっきりと波の後が残ってしまった。
抜根は、庭木やツツジなどの生垣を根から丸ごと取りぬく作業だ。2人1組のペアになり、木の周りを丸く掘っていく。息を合わせて反対方向から交互に根元にスコップを入れると、深く張った根も簡単に取り除くことができる。阪神淡路大震災時から週末ごとにボランティア活動をする植物に詳しいボランティアもいて、「この木は来年芽吹きますよ」と家主に引き抜かないようアドバイスすることもあった。
床下泥出しは、その部屋を今後どうリフォームするかにより作業が異なる。フローリングで床板を再利用する場合、技術がないためボランティアには剥がしにくい。一方床板をそのまま残す部屋は、四つ這いでしか進めない高さの暗い床下に入り込み、水分を含む重い泥を運び出さなければならない。このような作業は、体が小さめの女性たちが担当したが、そのうち一つの方法を生み出した。「大脱走プロジェクト」とネーミングされたそのアイデアは、泥を入れた段ボールにロープを付け、それを外側から引き、空の段ボールをまた戻す作業を繰り返す。おかげで、作業は効率よく進んでいった。
山元町と隣の亘理町は県のほとんどを占めるイチゴ産地である。町の人達は、来年の収穫に希望を託す。「春はイチゴ、秋にはホッケがおいしいこの町に、復興したらまた来てください」と声をかけられたボランティアの渡部明子さんは、温かい町の人たちに触れ、仕事をさせてもらえたことに心から感謝をした。


